人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことができる人。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。
by しずかちゃんのパパ(ドラえもん:『のび太の結婚前夜』より)
なんでもありです。katsuです。
今日は、まんがドラえもんの名言のご紹介です。このブログ、基本的になんでもありです。ぜひ皆様もネタがあったらご提供をお願いしたいです。
しずかちゃんの結婚前夜
このお話は、小学生ののび太が大人になった未来のお話。のび太はしずかちゃんと結婚することになります。(ちなみにまんがでは「しず」ちゃんと呼ばれてます)
のび太はご存知の通り何をやらせてもダメな人。しずかちゃんは優秀で、否のうちどころが無い人。
この二人の結婚前夜に事は起こります。しずかちゃんは自宅でパパに切り出します。
「パパ! あたし、およめにいくのやめる!!」
しずかパパは当然びっくりします。
「わたしが行っちゃったらパパさびしくなるでしょ。これまでずっと甘えたりわがままいったり・・・それなのに私のほうは、パパやママになんにもしてあげられなかった」
しずかパパは・・・
「とんでもない。きみはぼくらにすばらしいおくり物を残していってくれるんだよ。数えきれないほどのね。最初のおくり物はきみがうまれてきてくれたことだ。午前3時ごろだったよ。きみの産声が天使のラッパみたいにきこえた。あんな楽しい音楽はきいたことがない」
しずかパパはソファーでパイプをぷかぷかし・・・
「病院をでたとき、かすかに東の空が白んではいたが、頭の上はまだ一面の星空だった。こんな広い宇宙の片すみに、ぼくの血をうけついだ生命がいま、うまれたんだ。そう思うとむやみに感動しちゃって。涙がとまらなかったよ」
しずかパパは続けます。
「それからの毎日、楽しかった日、みちたりた日日の思い出こそ、きみからの最高の贈り物だったんだよ。少しぐらいさびしくても、思い出があたためてくれるさ。そんなこと気にかけなくていいんだよ」
しずかは、
「あたし・・・不安なの。うまくやっていけるかしら」
そしてしずかパパは断言します。
「やれるとも。のび太くんを信じなさい。のび太くんを選んだきみの判断は正しかったと思うよ。あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。彼なら、まちがいなくきみをしあわせにしてくれるとぼくは信じているよ」
子供は親に気を遣う必要は無い
子供は親に気を遣う必要はありません。けど、このことが理解できていなければ子供は「子供」のままです。
この源家(しずかちゃんの家)でのやりとりがこれを如実に物語っています。
おそらくしずかちゃんは、次の日にはケロッとして幸せな結婚式をひらくことでしょう。けど、しずかパパはその次の日からずっと、寂しさを味わうでしょう。
この結婚前日、パパの温かい言葉は本当に娘のことを心から大切に想い、あふれる言葉をなげかけたのでしょう。
こんな大きな器を持ちたいものです。バカでっかい器ですね。
目線を変えてみる
このお話、実は過去から来たのび太とドラえもんが透明になってこっそりと聞いているのです。
しずかちゃんとの将来が気になって忍び込んだものの・・・涙を流しながら感動して戻るはめになりますが。
のび太は想像もしない親子の関係を目の当たりにしました。そしてしずかちゃんはパパに最後の最後に大甘えしました。パパはそんな娘を大きな器で包み込みました。
不思議なことにこのまんが、小さいときにこのお話を読むとのび太目線。大人になるとしずかちゃんの目線に。親になるとしずかパパの目線となり感情移入してしまいます。
作品は同じなのに、読む立場によって感じ方が異なるのです。
自分が成長すると目線が変わる。意識して違う目線から見てみる。感じてみる。これが大人に、大きな器に近づく第一歩なのかもしれません。
しずかちゃんは、のび太と結婚して幸せに暮らしていくことでしょう。