カイジ「命より重い!」お金の話。楽しく学べる良書レビュー。
katsuのテキトーレビュー | |
ジャンル | ビジネス(緩め) |
おすすめ年代層 | 20代~30代 |
読みやすさ | 4.0 |
役に立つ度 | 3.0 |
読み返したい度 | 3.0 |
総合おすすめ度 | 3.0 |
katsuです。
今回は木暮太一さんの『カイジ「命より重い!」お金の話』という本をレビューします!
そもそも「カイジ」を知っていますか?原作は福本伸行さんのマンガで、何本か映画化もされているのでご存知の方も多いでしょう。この『カイジ「命より重い!」』は、マンガのカイジをモチーフにして執筆されています。作者の木暮太一さんがカイジに出会ったのは執筆の約5年前。普段マンガを読まない木暮さんですが、何気なく手にとって読み、
「このマンガは日本国民にとって大切な本だ」
と感じたそうです。少しオーバーな気もしますが・・・
確かにカイジの生き様は人の醜いところ、そしてお金の大切さをユニークに表わしていると思います。僕もそれほどマンガを読みこんだわけではありませんが、木暮さんがカイジを気に入ってしまったのは・・・なんだかわかるような気がします。そんな木暮さんが執筆した「経済本」をレビューしていきましょう!
そもそもカイジとは?
ところで、カイジを全く知らない人は「カイジ」ってそもそも何なの?と思うはず。
カイジとはこの本の表紙に載っている若者「伊藤開司」のことです。
バイト先の後輩が消費者金融で借金をし、気軽に連帯保証人になっていたカイジ。後輩が姿をくらませたため、連帯保証人であるカイジが全借金を背負うことになりました。
そしてこのカイジはとても真面目に働くような人間ではなく、常に一攫千金を夢見てギャンブル的人生を送っている若者です。とても後輩の借金を返せるわけもなく・・・。そんなカイジの前に、帝愛グループという団体からギャンブルのお誘いが。
カイジは借金を帳消しにするべく、カジノ船レスポワールに乗り込みます。
こんなところからカイジの人生のギャンブルが始まります。ただしギャンブルといっても、具体的な賭け内容は麻雀やパチンコ、競馬のようなものではありません。独特のシンプルなルールを使ったお話ですので、難しいルールを知らなくても、誰でも読めるマンガです。ただし年齢制限が入りそうなマンガではありますが。
『カイジ「命より重い!」お金の話』はどんな本?
まずは目次をご紹介しましょう。
第1章:給料が少ない?現実を見ろ!
第2章:金は、自分で守らねばならないのだ!
第3章:知らないやつは、勝負の前に負けている!
第4章:圧倒的勝利を呼ぶ、マネー思考を身につけろ!
終章:お金に振り回されないために、本当に必要な力
こんな感じです。なかなか過激なタイトルがついているような気がしますが、内容は至極真っ当です。経済ジャーナリストである木暮さんからの、「お金」に対する基本的な教育だと考えて良いでしょう。
正直なところ、この本はかなりスラスラと読むことができました。小難しい部分はそれほど多くなく、少し考えれば内容を理解することができるレベルの経済本に仕上がっています。下の画像のように、ところどころマンガのページが挿絵として挿入されているのも良いカンジです。
特筆するべきは、木暮さんの名言がいくつも散りばめられているところ。
なるほどねえ、と納得する内容が結構あるものです。いくつか羅列し、本の紹介に変えさせていただきましょう。
この本に散りばめられている名言集
まあ・・・名言というのも変かもしれませんが、僕が「はっ」と思った言葉をいくつか挙げてみます。
お金を「稼ぐ」「貯める」知識に目を向ける人は多いが、「使う」「守る」知識をないがしろにしている人も多い。
給料は「必要経費方式」で決まっていて会社が社員の生活を保障している。だからこそ生活費が少なくて済む職種(主婦のパート、実家通いのバイトなど)は給料が安くなる。
なぜお金を使いすぎてしまうのか。それは「他人に見せびらかしたい」「他人からよく思われたい」という顕示欲。そしてご褒美思考。
人の満足感はどんどん下がっていく。同じ満足感を得るためにはもっとお金が必要になる。宝くじの当選者が不幸になるのは、こういった限界効用逓減の法則による。
リスクとリターンはやがて釣り合う。ローリスク・ハイリターン、つまり「うまい話」はすぐに大勢がやるようになり、利潤率の傾向的低下の法則が働き、やがてリスクとリターンは釣り合う。
借金は未来の自分から借りるお金である。利子はお金のレンタル料。
そして内容はマネー思考のお話に移っていきます。正しい判断をするためのコスト把握力。最悪の事態に備える力、正しいお金の使い方・・・。
この続きはぜひ本で確かめてください。
さいごに
この本、総じてわかりやすく「お金」を学べる良書です。
本でも述べられていますが、日本ではなぜかお金の話をすると下品と考えられ、お金について学ぶ機会はほとんどありません。学校でもお金の使い方を教えてくれたりしませんよね。おかしな話です。
この本は、そんな「学び忘れ」をうまく補完してくれます。
例えば買い物をするとき、ほんの数円安いからとわざわざ遠くのスーパーへ行く。僕はこれがナンセンスだと思っていましたが、なぜナンセンスなのかというとうまく説明できませんでした。時間の無駄、と漠然と言うのではなく、いったいどちらが得なのか、どのように比較したらよいのか。
そんな生活に密接した考え方・コツがこの本には詰まっています。ぜひみなさんに読んで頂きたい一冊ですね。
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