「人は話し方が9割」永松茂久さんの具体的技術満載の本レビュー。
katsuのテキトーレビュー | |
ジャンル | ビジネス |
おすすめ年代層 | 10代~40代 |
読みやすさ | 5.0 |
役に立つ度 | 5.0 |
読み返したい度 | 4.0 |
総合おすすめ度 | 5.0 |
永松茂久さんの「人は話し方が9割」のレビューです!
前回の「人生に迷う君に送る24の手紙」で見事な本を読んだのも記憶に新しい。そんな時期に出版されたこの1冊。
感想をひとことで言ってしまうと・・・
具体的事実満載で役に立つ!うまく話せるようになりたい人にオススメできる最大級の1冊
です。
サブタイトルは『1分で人を動かし、100%好かれる話し方のコツ』とあります。永松さんには珍しい、そこらでよく見かけるオーバーキャッチコピーのような気がします。しかし、1分や100%はオーバーだとしても「話すのが苦手な人」にとっては、間違いなくコミュニケーション技術を向上できる1冊です。
僕は、自分で言うのもなんですが話すのは得意な方です。仕事では上司との会話やプレゼンテーション、ときには勲章を持っているようなお偉い人にプレゼンする機会もありました。四苦八苦を繰り返すうちに、自然と技術を身に付けてきた気がします。
そんな僕がこの本を読むと、少し簡単かなとは思いつつも具体的技術の数々に「なるほど」と共感しながら自分の技術を振り返ることができます。これから技術を学ぼうとする若者にとってはバイブルとなりうる可能性もあります。
そんな良書、順に紹介していきましょう。
「人生に迷う君に送る24の手紙」ってどんな本?
目次の章はこんな感じで構成されています。
第2章 「また会いたい」と思われる人の話し方
第3章 人に嫌われない話し方
第4章 人を動かす人の話し方
ネタバレしない程度に中身を少し紹介してみましょう。まず第1章では、自己肯定感を皮切りに考え方の基礎となる3つの大原則が登場します。
基本的に、この本はこの3つの大原則を元に話が進んでいきます。
「こんな簡単なこと?」と思う方もおられるかもしれません。僕も最初はそう思いました。しかし3分の1ほど読み進めたとき、ふと具体的な技術指導が始まるのです。
話し方が9割と言いつつも、その中身はいかに相手のことをよく考え、聞き手にまわりつつ上手く話すか。そういった「拡張話法」が紹介されています。この拡張話法には順番があり、
感嘆→反復→共感→称賛→質問
とあります。この本の素晴らしいところは、どこかの寄せ集めの技術ではなく、永松さん自身が体験し、編み出した技術を余すこと無く伝えようとしているところにあります。
「感嘆」ひとつとっても、永松さんらしい表現で説明されています。少し抜粋してみましょう・・・
感嘆のポイントは言葉の後の「!」「?」「ハート(絵文字)」です。言葉の終わりに絵文字をつけるように感情を込めます。
次に「ー」。感嘆詞を伸ばすことです。試しに「そうなんですか」と「そうなんですかー」を口ずさんで比べてみてください。「ー」の部分に感情が乗る感覚がわかると思います。この感情が相手に伝わるのです。
感嘆詞は強烈な力を持っています。この感嘆詞を使った瞬間、相手の話に一気にスイッチが入ることになります。
どうですか?感嘆詞を伸ばす技術。確かに効果ありますよねー!
そして2章以降は更に具体的技術がばんばん述べられています。永松さん自身の経験もたくさん書かれており、メチャクチャわかりやすく話し方の技術を学ぶことができます。
師匠の斎藤一人さんから伝授されているであろう「また」会いたいと思われる人になるための技術から始まり、3章ではほんの少しの会話が相手を苛立たせることになるという言葉の重要性が具体例とともに書かれています。
参考にひとつページをご覧いただきましょう。
こんなイラストもあちこちに散りばめられています。どうですか?人の相談にポジティブ返ししていませんか?
4章では人を動かすための会話術。部下や後輩に対する話し方が具体例とともに書かれています。永松さんの経験はこの4章に一番込められています。人を育てる立場の永松さんだからこそ感じる、最新の会話術です。僕もこの4章は本当に興味深く読むことができました。
さいごに。
永松茂久さんの「人は話し方が9割」のレビューはいかがでしたか?
これまで永松さんの本はさみだれでアツい思いをぶつけてくる本が多かったのですが、この本は違います。アツい思いはそのままに、人との付き合いで最も重要である会話術のノウハウを教えてくれる本です。
僕がこの本を読むために使った時間は1日。それも空いた時間にちょいちょいと読んだ感じです。これは中身が少ないとかスカスカだとかいう意味ではなく、あまりの読みやすさであっという間に読めてしまうということです。
前作「人生に迷う君に送る24の手紙」のレビューでも紹介しましたが、物事を伝えるには大きく4パターンあると永松さんは紹介しています。
②簡単なことを難しく伝える
③難しいことを難しく伝える
④難しいことを簡単に伝える
この「人は話し方が9割」は永松さんが最も理想としている④の考えを間違いなく踏襲しています。
後で考えると「メチャクチャ重要なことが書いてあるんじゃないの?」と感じますが、表現があまりにわかりやすいためすんなり読めてしまうのです。こんな本は僕が知る限り稀です。
僕の場合、確かに走り読みした部分もあります。でもそれはそれで良し。また読み返せば良いのですから。本は何度も読み返せるのが「本」ですからね。
さいごに、唯一この本に漏れていると感じたこと。
それは「嘘をつく人にどう対応するか」です。
物事の嘘というだけでなく、「自分の感情に嘘をついている人」にどう対応するべきかと捉えてください。優秀な人間ほど自分を騙くらかして生きているもの。こんな人に対応するためには、やはり相手の感情を捉えうまくコミュニケーションをとる「センス」が必要になってきます。
こんなことを考えていると、人と人との関わりとはやっぱり難しいのかな、とも感じてしまいます。そんなこんな考えを巡らせてくれるのも「本」良いところですかね。
さて、こんな良書、ぜひあなたも読んでみては?
言葉選びに悩む学生さんからバリバリの社会人さんまで。すべての方にオススメですー!
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